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BOSSブログ【2010年】
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グループホームへのスプリンクラー設置に関して 

 

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グループホームへのスプリンクラー設置に関して

 

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2010年3月13日札幌市の認知症グループホーム『みらいとんでん』で発生した火災を受け、『グループホーム火災を踏まえた対応策について3省庁緊急プロジェクト』の初会合が開かれました。3日後の3月16日の事でした。
厚労省、国交省、消防庁(総務省)が参加した会議の冒頭で長妻昭厚労相は、今回の事故について「あってはならない事故」と述べた上で、現在275平方メートル以上とされているスプリンクラーの設置義務付け施設の拡大や、2011年度末まで猶予されているスプリンクラーなどの整備義務化時期の前倒し、1平方メートル当たり9000円のスプリンクラー設置費用補助制度の拡充などを検討する考えを示したそうです。

2006年1月の大村市での火災を受け関係法令が改正されたのも記憶に新しいことと思います。昨年の4月から275㎡以上の就寝を伴う社会福祉施設もスプリンクラーの設置が義務化されました。冒頭の記事はその範囲が早期に拡充されることが示唆されています。

『設置できるものなら設置したい』 
運営者様の偽らざる本音ではないでしょうか?
実は今回の『みらいとんでん』にはスプリンクラーの設置義務はありませんでした。
改正された法に照らし合わせたとしてもです。
夜間の人員配置も法に則ったものでありましたし、運営上法に抵触するところはなんらな(かったのです。
ただ、問題として上げられるとするならば、開業した段階で建築物に対しての
用途変更がなされていなかった事でしょう。
本来グループホームは建築基準法上の『寄宿舎』に当ります。
『みらいとんでん』は運営母体が民家を買い取ったものを改築して開業されたということで『住居』のまま開業に至ったようです。
ただ、私自身はそこに『悪意』があったとは考えていません。もしかすると『不作為』は有ったかも知れませんが・・・・。

マスコミの方々は比較的物事を表面的にとらえ善か悪かというような論調に陥りがちです。今回の報道でもその傾向は顕著に見られたように思ったのは私だけでしょうか?
でも問題はそんなに簡単なことではないのです。
例えば、用途変更するべき事を誰が教えてくれるのか?
賃貸物件で運営する場合大家さんの了承が得られるのか?
(用途変更して寄宿舎になると借り主さんは非常に狭い範囲となる)
そもそもスプリンクラー等の特殊な設備の設置を認めてもらえるのか?

スプリンクラーの設置ひとつとっても問題は山積しています。
簡易型のスプリンクラーが認められ、従来型のスプリンクラー設備より格段に低コスト
で設置できるものが認められているのですが、従来の水道配管に直結するには水圧など一定以上の基準をクリアせねばなりません。木造住宅などに引き込まれている水道メーターの口径でその基準を満たすことはかなり難しいのが現状です。

また、縦割り行政の壁も非常に厚いものがあります。
スプリンクラーの設置には消防法、水道法、建築基準法、などが複雑に絡んできます。
1㎡あたり9,000円の補助金に対する申請業務も発生します。
現実的にはそれらの調整をGH運営者が行うことは不可能なことでしょう。

京都府の福祉支援課から2月2日の公報で
『京都府介護基盤緊急整備等特別対策事業補助金交付要項』の発表がありました。
本年度はいよいよ関西圏でも設置が本格化すると思われます
(関東圏にくらべ関西圏は少し遅れていました)

では、何から始めればよいのか?
まずはよき相談相手を見つけることが最も重要なのではないでしょうか?
あくまでも運営者側の立場に立って、各省庁と協議を進め最善策をプレゼンテーションすることの出来る事業者が求められているのだと思います

概算の費用はいくらぐらいかかるのかという重要な問題に関してですが
非常にざっくりした話になりますが床面積1㎡あたり9,000円程度~15,000円程度
の工事費がかかると思われます。
先ほども述べたとおり実際には簡易型(直結型)の設置が難しい場合も出てくるでしょう。その場合は簡易型でもスプリンクラー専用水槽とポンプの設置が必要となります。また、木造の建物の場合など用途変更に伴い天井内に耐火間仕切りの設置義務や内装仕上げ材を準不燃とするなど付帯する様々な工事が発生するケースが考えられます。
正確な予算を組むにはやはり信頼できる相談相手に納得いくまで説明を促し
具体的な金額のプレゼンテーションを受けて欲しいと思います。